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沖縄の疾病構造

沖縄県における平均寿命の推移について

沖縄というと長寿のイメージが強いのですが、平均寿命の伸び率において全国平均より下回っており、平成22年都道府県別生命表によると、沖縄の平均寿命は男性79.40年、女性87.02年年です。全国順位は、男性が平成17年の25位から30位に、女性は1位から3位に順位を下げました。 平成12年に男性が順位を26位に下げたときは、26ショックと名付けたのですが、今回は国道330号線にちなみ330ショックと読んでいるようです。

沖縄県における主要死因の年齢階級別死亡率の都道府県別ランキング

平均寿命の伸びが全国平均より低くなったのは、いわゆる働き盛りの世代における死亡率が全国平均より高いことが挙げられます。主要死因の年齢階級別死亡率で全国ワースト 5 位内に入っているものは、急性心筋梗塞、脳血管疾患といった生活習慣病の合併症や、アルコールを原因とする肝疾患、自殺などの死亡率が高い状況となってます。(別表2,3)  
主要死因の年齢階級別死亡率の都道府県別ランキング主要死因の年齢階級別死亡率の都道府県別ランキング
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健康おきなわ21(2次)より抜粋)

肥満割合が高い

中小企業の従業員を主な対象とする政府管掌保険の平成16年度の健診データでは、沖縄県の30歳代以上の男性で46.9%、女性で26.1%が肥満とされ、肥満割合が全国で最も高いとされています。(全国:男性30.2%、女18.5%)。

糖尿病有病者・予備軍共に増加中

糖尿病の有病者・予備軍は増加しており、男性の40~60歳代で多くなっています。
沖縄県の平成11年度の糖尿病による死亡者数は117人。死亡率は9.0(人口10万対)で前年度死亡者数110人と比較して7人の増加です。死因の順位は10位に上がってきており、全死因の1.5%を占めています。
糖尿病による年齢調整死亡率を全国と比較すると、男性は1.15倍と高く、特に45~49歳までの糖尿病死亡は2.12倍となっています。女性は0.95と平均より低いのですが、45~49歳においては男性と同様に2.63倍と高い数字になっています。
糖尿病・耐糖能異常有病者の増加は、沖縄県人特有の遺伝基盤の上に、運動量が少ない、脂肪摂取量が多い、肥満が多いなどの環境因子が加わったためとされています。

子供にも肥満傾向が

肥満傾向児が増加しているのも問題であり、昭和47年の栄養調査以降、タンパク質と脂肪のエネルギー全体に対する比率は増加傾向で、糖質は減少しています。
特に脂肪比は31.0%で、平成10年度の全国平均値26.3%を4.7%上回っています。
日系移民研究で、脂肪エネルギー比率が30%を超えると耐糖能異常や高脂血症が増加し、動脈硬化のリスクが高くなると報告されており、重要な課題となっています。
エネルギー全体に占める脂肪の摂取比率は、17歳までは25~30%を所要量としますが、沖縄県では17歳以降でも平均で30%を超えており、ほとんどの年齢階級で脂肪の摂取比率は上回っています。
運動不足も問題で、1日に歩く時間が30分未満の人は、男性で32.4%、女性で41.4%もいます。
(沖縄県「健康おきなわ2010」及び「健康おきなわ21」資料より)

メタボリックシンドロームの該当者が多し

生活習慣病の発症リスクを高めるメタボリックシンドロームの該当者・予備群は、男性の5人に3人、女性の10人に3人で、全国に比べ高い状況です。特に男性は30歳代から増加しており、若い世代を含めた対策が必要と言われています。

高血圧

高血圧症の有病者・予備群は男性の3人に2人、女性の5人に3人であり、また、中性脂肪の高い人の割合は男性の3人に1人、女性の5人に1人となっています。

高血糖

血糖の高い人の割合は増加しており、男性の3人に1人、女性の4人に1人が糖尿病の有病者・予備群となっています。

インフルエンザ

不思議な事に、沖縄ではインフルエンザの流行ピークが年に2回(冬、夏)あります。
2012年もH3N2亜型が夏場に流行しました。
2013年も2月より県からインフル警報が発令されています。
(2013/1/28 ~ 2/3までの患者数は2,394人で、1定点医療機関当たり41・28人に達し、定点当たり30人の警報レベルを超えました。)

COPDによる死亡率全国1位

平成23年人口動態統計によると、COPDによる死亡率は男女ともに全国1位

肝疾患

平成23年人口動態統計によると、肝疾患による死亡率も高く全国で男性1位、女性2位

ATL(成人T細胞白血病)

沖縄には、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の持続感染者が多くいます。
2010年の厚生労働省の資料によれば、全国での推定キャリア数は108万人。
うち、九州・沖縄地区の推定キャリア数は49.2万人(全体の45.7%)との報告があります。(献血者の陽性率から推定した、2006、2007年のデータ。)

(参考:沖縄県「健康おきなわ2010」及び「健康おきなわ21」資料、厚生労働省資料 ほか)

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